感覚刺激による
心理的変化と生理的反応

結果

8人の被験者のEDA測定値を平均しグラフを作ると、以下のFigure1のようになった。

測定値を平均することに問題はないかと考え、8人の被験者それぞれの測定値を比較してみることにした。以下のFigure2がその結果である。音刺激は1つ1つ別のものであり、本実験はその刺激1つ1つに対して被験者がどのような反応を示したのか調べるものであって時系列に従って変化する様子を調べたわけではないから折れ線グラフを用いるのは適切ではないが、棒グラフを用いた場合、系列が多くて煩雑になるだけであり比較しづらいので、折れ線グラフを用いた。Figure2は比較のために作成したものであり、分析のために作成したのではない。

※「A1」とはAグループ被験者1の略であり、以下同様である。

Figure2から、A1・A2・C1・C2で示されている被験者は測定値の変化が激しいが、B1・B2・D1・D2で示されている被験者は殆ど変化がないように見える。これは単に個人の反応の違いと言えるだろうか。A・CグループとB・Dグループとでは用いた機器が違う。そこで、A・Cグループの被験者とB・Dグループの被験者で分けてそれぞれ平均値を取り、2つのグラフを作成した。以下のFigure3・4がそれである。

Figure3において最も測定値が高いのが刺激番号2・ダイナマイト(192.25)で、その後4・ピストル(146.75)、7・読経(103.5)、14・消防車(102.25)、8・引きはがす音(95.25)、13・砂浜の波(83.75)、12・歯医者(80.75)、11・汽笛(67.625)、10・雷(60.375)、6・ヘリコプター(53.75)、9・学校(51.75)、5・特急の車内(49.25)、1・川の中流(35.5)、3・電話(34.75)、15・台所(33.125)と続く。

Figure4において最も測定値が高いのが刺激番号7・読経(6.5)で、その後3・電話(6.25)、10・雷(4.875)、2・ダイナマイト(4.625)、5・特急の車内(4.5)、9・学校(4)、11・汽笛(2.75)、1・川の中流(2.375)、13・砂浜の波(2.25)、4・ピストル(2)、6・ヘリコプター(1.875)、14・消防車(1.875)、12・歯医者(1.75)、8・引きはがす音(1.625)、15・台所(0.125)と続く。

こうしてみると、B・Dグループの被験者の測定値も大いに変化していることが読み取れる。また、Figure3に示されたA・Cグループの結果はFigure1の全体での結果とあまり変わらないが、B・Dグループの結果はFigure1とはずいぶん違っている。Figure1では、値の小さいB・Dグループの結果が隠れてしまっていたと言える。従って、実験の条件の違いによってデータを分けて分析したのは正しかったと考えられる。
しかしこの場合、問題点として挙げられるのは、データ対象となったのが各グラフにつき4人ずつと少なすぎることである。他の3人の測定値は0に近くても、ある1人の測定値が大きければ結果はその1人に大きく左右される。そしてその測定値は、音刺激以外の何らかの要因によるものであることも否めないのである。また、使用した機器は同じでも、分析時の基準となる線の引き方は各グループ或いは作業を行った各人によって違いうるし、常にEDAは0に近く安定している人もいれば変化が激しい人もいるだろう。そこで、各被験者について15の音刺激の測定値を平均し、そうして求めた値でそれぞれの測定値を割れば標準化できるのではないかと考えた。被験者全員を標準化できれば、8個のデータによって求めた平均値で分析することができ、個人の結果の影響が少なくなると考えられる。

Figure5において最も測定値が高いのが刺激番号2・ダイナマイト(2.101)で、その後順に7・読経(1.815)、3・電話(1.190)、4・ピストル(1.134)、5・特急の車内(1.120)、9・学校(1.081)、10・雷(1.070)、12・歯医者(1.001)、13・砂浜の波(0.997)、14・消防車(0.860)、8・引きはがす音(0.822)、11・汽笛(0.657)、6・ヘリコプター(0.496)、1・川の中流(0.480)、15・台所(0.172)と続く。

本実験の最後に、受講者全員で15の音刺激を刺激番号順どおりに聞き、5段階で快・不快度を判定した。以下のFigure6は、その快・不快度判定値の平均のグラフである。

Figure6によると、最も不快であると感じられたのが刺激番号12・歯医者(快・不快度4.63)で、他に快・不快度が4を越えているのは、値が大きいほうから順に刺激番号2・ダイナマイト(同4.59)、10・雷(4.56)、4・ピストル(4.26)、14・消防車(4.11)であった。逆に最も快いと感じられたのは刺激番号1・川の中流(1.70)であり、13・砂浜の波(1.85)が続く。その他の音刺激の快・不快度は、快と感じられた方から順に以下のとおりである。15・台所(2.59)、9・学校(2.70)、5・特急の車内(2.74)、3・電話(3.15)、7・読経(3.41)、8・引きはがす音(3.67)、6・ヘリコプター(3.70)、11・汽笛(3.96)。

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