感覚刺激による
心理的変化と生理的反応

考察

感覚刺激による心理的変化と生理的反応には相関性があるという仮説を立てて実験を開始した。具体的には、快い音の方がEDA測定値が低く、不快な音の方が高くなると考えた。
Figure 6で示した、15の音刺激の快・不快度は、不快度が高いものから順に、刺激番号12・歯医者、2・ダイナマイト、10・雷、4・ピストル、14・消防車、11・汽笛、6・ヘリコプター、8・引きはがす音、7・読経、3・電話、5・特急の車内、9・学校、15・台所、13・砂浜の波、1・川の中流という順であった。不快度が高い刺激と低い刺激については特に、事前の予想と大きく相違がないものであった。
それに対してFigure 5では、測定値の高い順に刺激番号2・ダイナマイト、7・読経、3・電話、4・ピストル、5・特急の車内、9・学校、10・雷、12・歯医者、13・砂浜の波、14・消防車、8・引きはがす音、11・汽笛、6・ヘリコプター、1・川の中流、15・台所であった。2・ダイナマイトの測定値が高く、1・川の中流、15・台所の測定値が低いということは快・不快度判定と一致するものであった。しかし、最も不快な音であるはずの12・歯医者と、2番目に快い音である13・砂浜の波の測定値がほとんど変わらないという結果は予想外であった。
ただ、Figure 2の個人の結果や、Figure 3とFigure 4に差があることから、個人差がかなりあるということが言える。それが発汗の差なのか、聴覚の差なのか、或いは心理的変化の差によるものなのかというところは、今回の実験からは判然としない。
また、音刺激の快・不快度については、音自体の快・不快もあるが、本実験の最後に行ったため、どれが何の音か分かった上で聞いたという心理的影響も少なからずあるのではないかと考える。例えば12・歯医者は、その音を聞かなくても、想像だけで不快に感じてしまう人もあるだろうし、1・川の中流、13・砂浜の波などもその言葉だけで、ヒーリングサウンドのイメージが浮かんでしまうかもしれない。音刺激の詳細を知らない状態で快・不快度判定を行っていれば、結果が多少変化したのではないだろうか。

感想

今回の実験はEDA測定装置を用いて行い、いわゆる「実験」という感覚の強いものであった。日常触れることのない機械を用いての実験であったので、大変興味深いものであった。ただ、であるがゆえに、機械の数と所要時間の都合上、多くの被験者で実験することができなかったのは残念であった。また、異なる機械を使用したことで、測定値にかなり差があったことも、難しい点であった。
考察において、個人差の影響の可能性について述べたが、快・不快度についても、個人差はあると考えられるため、実験参加者全員の平均値を求めたことは、或いは見当外れだったのではないだろうか。被験者自身の感じる快・不快度とEDA測定値とを比較しても良かったかもしれない。ただ、その場合においてはやはり相当件数の被験者を集めなければ、実験としての体を成さないのではないか。

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