感覚刺激による
心理的変化と生理的反応

目的

快い音と不快な音では生理的反応が異なることを明らかにすることを本実験の目的とする。このために、感覚刺激による心理的変化と生理的反応には相関性があるという仮説を立てる。

方法

対象

20〜30代の男女8名
男女6〜7名ずつの4グループ(A〜D)から2名ずつを被験者とした。

材料

精神性発汗の発汗量は非常に微量であるため測定は難しい。しかし、発汗量の変化によって皮膚電気活動が変化する。これを利用して、精神性発汗を測定するためにEDA測定装置を用いて皮膚電気活動を測定した。被験者8名のうちA・Cグループの4名が用いたのは竹井機器工業(株)製EDA測定装置であった。B・Dグループの4名が用いたのは型の違う機器であった。
刺激として、快い音と不快な音を被験者に聞かせるために、Windows PCを用いてWindows Media Playerを操作した。刺激の内容としては、1・川の中流、2・ダイナマイト、3・電話、4・ピストル、5・特急の車内、6・ヘリコプター、7・読経、8・引きはがす音、9・学校、10・雷、11・汽笛、12・歯医者、13・砂浜の波、14・消防車、15・台所、であった。尚、数字は刺激番号であり、実験でも用いたものである。実際に被験者に刺激を与える際にはランダムに並べ替えた。刺激の提示時間やインターバルの時間を計測するためにはストップウォッチを用いた。

手続き

本実験は、愛知県津島市内の某イベント会場にて行った。6~7名ずつA~Dの4グループで、それぞれ被験者(2名)、機器操作係(1名)、記録係(1名)、刺激提示係(1名)、進行係(2名/6名のグループは実験中でない方の被験者が兼任)を決めた。係ごとの作業内容を以下に示す。

<被験者>
2名選出した。聴覚が健常であり多汗症ではないことが条件であった。椅子に座りヘッドホンを装着し、もう一方の被験者によって電極を装着され、リラックスし目を閉じて被験した。この時絶対に寝てはならない。2名同時ではなく順に1人ずつ被験したので、6名のグループのもう一方の被験者は、電極を装着させ終えた後進行係Bを兼任した。こちらの作業内容は進行係の項で示す。

<機器操作係>
機器操作係のみに配布された操作マニュアルを見てEDA測定装置を操作した。実験中は進行係の合図をもとに「マーカー」ボタンを押し、刺激の開始・終了、インターバルの終了の位置に印を付けた。EDA測定装置は簡単に故障するような機器ではなく、またマニュアルがあるため、操作するに当たって特別な技術が必要というわけではない。

<記録係>
グループのメンバーの役割分担を記録し、1から15の数字をランダムに並べ替えることで15種類の音刺激の提示順序を決めた。実験中は記録紙に、刺激番号や刺激の開始・終了、インターバルの終了を示す記号を記入した。その記号とは、例えば刺激番号8の刺激であれば、「⑧+ハ」で刺激の開始、「ト」で刺激の終了、「イ」でインターバルの終了を示した。実験後、記録係のみに配布された記録用紙に、役割分担と提示順序、実験終了後の解析結果を記入した。

<刺激提示係>
Windows PCを用いてWindows Media Playerを操作し、音刺激を出力した。刺激の開始・終了のタイミングは進行係の合図に合わせ、刺激の提示は記録係が決めた順序に従った。

<進行係>
手続き一覧表をよく見て実験全体の流れを掴んでおくことが必須であった。進行係Aは、ストップウォッチで時間を計り、他の係へと合図を送ることで実験全体の流れをコントロールした。提出者を含む班で用いた合図は、刺激の開始で右手(ストップウォッチを持っている方の手)を振り下ろし、刺激の終了で左手を振り下ろし、インターバルの終了で両手を振り下ろすというものであった。進行係Bは、刺激提示係が行っている刺激の開始・終了・インターバルとその刺激番号が、記録係が記録紙に記入している内容と一致しているかを随時確認した。6名のグループではこの進行係Bを、被験する番ではない方の試験者が兼任した。

次に、実験全体の流れを以下に示す。
準備として、被験者は椅子に座りヘッドホンを装着しもう一方の被験者に電極を装着してもらった。この間、進行係は他の係と合図を決定し確認した。機器操作係は操作マニュアルを読んで手順どおりに操作し、測定可能な状態にして、「記録紙送り」スイッチをONにした。記録係は役割分担を記録し、刺激提示順序を決定して記録し刺激提示係に示した。刺激提示係はWindows Media Playerの操作方法を確認し、刺激番号1のファイルを試再生して被験者が聞こえているか確かめて、刺激提示順序を確認した。被験者は試再生された刺激番号1から音の大きさを確認し、リラックスして目を閉じた。
進行係と機器操作係によって波形の安定が確認されたら、刺激提示を開始した。進行係はストップウォッチをスタートさせると同時に合図し、その合図に従って刺激提示係は再生ボタンを押して刺激提示を開始し、同時に機器操作係は「マーカー」ボタンを押し、記録係は付けられたマーカーの横に「刺激番号+ハ」と記入し刺激提示の開始を示した。刺激提示時間は20秒であった。進行係は20秒を経過したらストップウォッチは止めずに合図をした。その合図に従って刺激提示係は停止ボタンを押して刺激提示を終了し、機器操作係は「マーカー」ボタンを押して、記録係はそのマーカーの横に「ト」と記入し刺激提示の終了を示した。インターバルは40秒であった。進行係はストップウォッチが60秒を示したら(刺激提示の終了から40秒が経過したら)ストップウォッチを止めると同時に合図し、それに従って機器操作係は「マーカー」ボタンを押し、記録係はそのマーカーの横に「イ」と記入しインターバルの終了を示した。刺激提示係が次の刺激番号を確認し、進行係と機器操作係によって波形の安定が確認されたら、次の刺激提示に移った。
15の音刺激全てを提示し終えたら、進行係は実験が全て終了したことを確認し、機器操作係はマニュアルを見て手順どおりに操作し機器を停止する。記録係は記録紙を切り離し、被験者はもう一方の被験者に電極を外してもらいヘッドホンを外した。この後、同様のことをもう一方の被験者についても行った。
被験者2名について全て実験を終えたら、記録紙をインターバルの終了と次の刺激提示開始の間で切り離し、刺激ごとに分けた。記録紙には小さなマス目があるので、基準となる横線を波形が安定している位置に引き、大きく山或いは谷ができている部分を縦線で囲み、山或いは谷と横線で囲まれた部分のマスの数を数えた(下図)。

尚、1刺激につき分析に使用する山は3つまでとした。
これら全てが終了した後、全員で15の音刺激を刺激番号順どおりに聞き、5段階で快・不快度を判定した。

結果
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